そういえば総務省の施策ってどんなことやってたっけ? ということで比較的最近のお話をおさらいしてみましょう。
目次
通信料と機種代金の分離
- 機種代0円が銘打たれ、その代金を月々の通信料から回収するビジネスモデルで電話機(端末)が販売されていた。
- が、本来の端末代金が不明瞭で、同じ機種を長く使う人に不利益であるから、そこんとこ明確にすべき<総務省(2007年)。
- 各キャリアは機種代金と通信料を分離。より安い料金プランが提示される。
- ソフトバンクが機種代金を24回分割し、その金額分を通信料から割り引く販売方法を発明。
- 各社追従し、相変わらず電話機の代金は不明瞭なままとなった。
- 端末代金の高騰と24回払いが一般的になったことから、端末の買い換えペースが鈍化。
- 国内メーカーの首が絞まる。
- 気が付けば二年契約が一般的に。
SIMフリー推奨
- 自社で販売した端末に関しては自社のネットワークでしか使えないように囲い込むのがSIMロック。
- ソフトバンクから発売されたiPhoneにはSIMロックが掛かっており、他のキャリアでは使えない。
- ユーザーが好きな機種を好きなネットワークで使えるようにすべきだ!
- ユーザーに不利益だ!けしからん!原則SIMロック解除すべきだ!<総務省(2010年)
- ただし強制せず。
- ドコモは当時の全機種で対応。ドコモショップにてロック解除作業を有償で行う。
- auは3Gの通信方式が違うため無視。
- ソフトバンクは不人気機種でのみSIMロック解除に応じてお茶を濁す(ソフトバンクショップにてロック解除作業を有償で行う)。
- イー・モバイルは基本的に全機種SIMロック解除した状態で販売。
- iPadがSIMロックが掛かった状態でソフトバンクから発売開始(国内のみ。海外発売分はSIMフリー)。
- iPhone/iPadがauからもSIMロックが掛かった状態で販売開始。
- iPhone/iPadがドコモからもSIMロックが掛かった状態で販売開始。
- SIMフリーのiPhone/iPadがAppleより販売開始。
- 特に大きな変化なし。施策のうまくいかない総務省様はご立腹です。
そしてSIMロック解除義務化へ
- SIMロックけしからん! 販売奨励金けしからん! MVNO推進!
- SIMロック外せば囲い込みができなくなる! 販売奨励金も適切になるはず! MVNOのシェア拡大!
- そしてそれがユーザーの利益ににもなるはず!
- で、とりあえずSIMロック解除ができるようにしなければならない、という義務化の話だけ決まった。
- SIMロック解除された状態で販売させるのか、販売一定期間後SIMロック解除できるようにするのか、あとの細かいことはこれから詰める。
- iPhoneを含め、各社で同等機種が販売されている。
- あれ、ユーザーは自由に機種とネットワーク選べてるんじゃね?←イマココ!
今後の予測
- SIMロックでの囲い込みができなくなるため、より料金面での囲い込みが激化するのではないか?
- 端末がさらに高価になり、買い換えペースがさらに鈍化する?→国内メーカーの首がさらに絞まる?
- キャリアを通さずにメーカーが直接販売するSIMフリー端末の流通増?
- それはミドル・ローエンドモデル?
基本的にはSIMフリーになるぜ、他のキャリアでも使えるようになるぜヒャッハー! というだけでなく、各キャリアの販売ビジネスモデルも揺るがす可能性があるので、単純にみんなハッピーな話ではないです。頭の中お花畑ですか。
すでにドコモがSIMロック解除に応じた状態で販売していても、あまり効果的には使われていないようなので、短期的にはあまり変化がないかもしれません。が、本当に各キャリアで完全に同じ機種を販売したり、全キャリア対応の端末をキャリアを通さずに販売したり、MVNOがうまいこと販売したりとあるかもしれません。NTT東西の光回線卸販売の話もあるので、うまく立ち回るキャリアでも端末メーカーでもない会社が出てくるんじゃないかなっと。
記憶ベースでごりごりと書いたので、間違い等ありましたらツッコミ頂けますと助かります。
※参考にしたかったリンク
- 佐野正弘のスマホビジネス文化論:“義務化”で盛り上がる「SIMロック解除」 そのメリットとデメリット (1/2) – ITmedia Mobile
- 総務省|ICTサービス安心・安全研究会|会議資料・開催案内等
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