先日発表・試乗会が開催されたマツダの「G ベクタリングコントロール」。SKYACTIV ヴィークルダイナミクスに含まれる技術の一つです。
「ベタリングコントロール」と言うと、左右輪に伝えるトルクを変えたり、片輪だけにブレーキを掛けたりする「トルクベクタリング」があります。それらは積極的に「クルマを曲げる」技術なんですが、マツダのこれはちょっと違うようで。
「G ベクタリングコントロール」は、アクセルオンかつハンドルを切った際にわずか数Kgの前輪荷重を掛けることで、よりよい挙動に制御する。コーナー入り口なら前輪荷重を増やしてクルマが曲がりやすいように、コーナー脱出時は後輪への荷重を増やしてクルマを安定方向に。まるで運転が上手くなったかのように感じられるそうです。
この荷重のコントロールはエンジンの出力制御でやります。「5/100秒」「0.005G」の細かさで制御を行うという、完全に人間にはコントロール出来ない世界。それを追加コストはほぼゼロでできるということは、現状のエンジンでも同等の精度で燃料噴射を制御しているということでしょう。直噴ゆえでしょうか。
そもそも素性のよいシャーシの仕立てをすれば良いんじゃないの? と思わなくもないですが、これはこれ。それはそれということのようで。
尚、エンジンの燃料噴射制御で荷重制御をするということは、必然的にタイトな制御の駆動系が求められます。次世代のエンジン・トランスミッションを含めたパワープラント系・駆動系は行儀の良い、運転しやすい素性・仕立てになるんじゃないでしょうか。
ちょっと乗ってみたいというか、既存の販売済みの機種も対応してもらえないものでしょうか。ソフトウェアでの制御だけならなんとか、うーん、難しいか。古いスマホのOSアップデートみたいなもので。